『幸せになる勇気』(著:岸見一郎・古賀史健)は、前作『嫌われる勇気』に続き、アドラー心理学の視点から「真の幸せ」について深く掘り下げています。この本も対話形式で展開され、より幸せに生きるための心構えや考え方が語られます。以下に主な内容を要約します。
「承認欲求」からの完全な脱却
アドラー心理学では他者からの承認を求めないことが幸福の鍵とされていますが、今作ではさらに「承認欲求を完全に捨てる」重要性が強調されます。他人に認められることや褒められることに依存せず、自分自身が選んだ道を歩むことが本当の幸せへの第一歩です。
自己犠牲を美徳としない
アドラー心理学では、自己犠牲は「他者のための貢献」ではないと捉えます。むしろ、自分の幸せを軽視した自己犠牲は、結果的に周囲にも負担をかけることにつながります。大切なのは、自己犠牲ではなく「自己の幸せを他者と共有し、ともに生きる」という姿勢です。
「他者貢献」とは何か
「他者貢献」という概念が本書の核となるテーマです。アドラー心理学では、他人に貢献することが真の幸福につながるとされていますが、その貢献は「自分を犠牲にする」ことではなく、「自分と他者の双方が満たされる関係」を築くことが目指されます。自己の成長が他者に貢献するものであるべきだと考えます。
「自由」と「責任」の関係
本書では「真の自由には責任が伴う」というテーマも強調されています。自由に生きるためには、自分の選択に責任を持ち、結果に対して他者を責めずに受け止める姿勢が求められます。この「責任を引き受ける」態度こそが、幸せな人生を生きるために不可欠です。
「今、この瞬間」を生きる
幸せは未来にあるのではなく、今この瞬間に感じるものとされています。「現在」に全力で向き合い、自分がコントロールできることに集中することで、本当の満足感と幸福感が得られると説かれています。
まとめ
『幸せになる勇気』は、自己成長と他者貢献を通じて「真の幸せ」を追求するための考え方を提供する一冊です。過去や未来の不安にとらわれるのではなく、「今この瞬間」を大切にし、他者との健全な関係を築きながら生きることで、幸福な人生が開かれるというメッセージが込められています。この本は、アドラー心理学を通じて「幸せとは何か」を根本から問い直し、自らの力で人生をより豊かにするヒントを与えてくれます。
筆者の思い
社会に生きる上でどうしても他者を気にして行動していることがよくある。
人間の不安とはどうしても人間関係に依存し他者と比較したりすることで増幅されるとおもいます。
そうあることは当たり前のことなのかもしれないが
他者を意識することを一旦やめて
自分の心に素直になること
自分の人生を自分で切り開く勇気が大事ではないかとこの本から思うことができました。
ぜひアドラーに興味のある方読んでみてください。
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