日本にとらわれないで世界に目を向けたい
『ファクトフルネス(Factfulness)』は、スウェーデンの医師であり統計学者でもあるハンス・ロスリング(Hans Rosling)によって書かれた本で、世界をより正確に理解するための方法や考え方を紹介しています。本書は、私たちが抱えている多くの誤解や偏見が、データに基づかない感情や思い込みから来ていることを指摘し、世界は想像しているよりも良くなっているという事実を伝えています。
1. ファクトフルネスの基本理念
ロスリングは、人々が世界を悲観的に見る傾向があり、それが正確なデータや事実に基づいていないことを指摘します。ファクトフルネスとは、「データや事実に基づいた世界の見方」を指し、特定の思い込みや恐怖に基づいて判断するのではなく、正確な情報をもとに冷静に物事を理解することを強調しています。
2. 世界に対する誤解の原因
ロスリングは、世界を正しく理解できない原因として、次の10の本能(誤解を生む直感的な考え方)を挙げています。
- 分断本能:物事を「私たち対彼ら」の二分法で捉える本能。
- ネガティブ本能:世界がどんどん悪くなっていると思いがちな本能。
- 直線本能:すべての傾向が一直線に進むと思い込む本能。
- 恐怖本能:劇的で恐ろしい事柄に引きつけられ、現実を正しく評価できない本能。
- 過大視本能:大きな数値に驚き、それが全体の中でどう位置づけられるかを見失う本能。
- パーセンテージ本能:一部の変化を全体の変化と捉える本能。
- 誤解された平均本能:世界の状態を平均だけで判断する本能。
- 運命本能:状況が変わることはないと考える本能。
- 単純化本能:複雑な事象を単純化して捉える本能。
- 犯人探し本能:誰かや何かをスケープゴートにして問題の原因を単純化する本能。
3. データを正しく理解する重要性
ロスリングは、ニュースやメディアがセンセーショナルな出来事を強調することで、現実よりも悪い印象を与えることが多いと指摘します。正しいデータを使い、冷静に世界を理解するためには、統計的なデータの読み方や、複雑な問題に対して単純な解決策を求めない姿勢が重要だと強調しています。
4. 改善されている世界
ロスリングは、世界の多くの側面が過去と比較して改善されている事実を示し、たとえば、極度の貧困の減少、識字率の向上、平均寿命の延びなど、さまざまなデータで世界が良くなっていることを説明しています。
5. ファクトフルネスを実践するためのツール
最後に、ロスリングはファクトフルネスを実践するための具体的なツールや方法を提案しています。たとえば、「すぐに結論を出さず、まずはデータに基づいて冷静に判断する」「複雑な事象には複雑な原因があることを認識する」「過去のデータを参照し、現在と未来の変化を正しく予測する」などです。
結論
『ファクトフルネス』は、偏見や誤解にとらわれず、世界をより正確に理解するための思考法を教えてくれる本です。世界の現実を悲観的に捉えるのではなく、正しいデータに基づいた判断をすることで、世界は実際には改善されていると気づくことができます。この本は、冷静で事実に基づいた判断を行う力を養うための重要な一冊と言えるでしょう。
まとめ
自分たちが想像しているよりも世界は良くなっている。
世界を 自分の世界を 悲観的に考えることをやめると世界は広がって行くのではないだろうか?
ネット社会になり、多くのどんな情報もすぐに取れる時代となりました。
自分にとって価値ある情報を選択できるようになれば世界は変わっていくと思います。
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